ここまでの反省
この1年で現実とのギャップを感じることは多かったが、特に上手く行かなかった事や出来なかった事が幾つかある。
愚痴っぽく聴こえるが、あくまで次にスタジオを作る人の為に参考資料として残しておく。
最大の難関はやはり設計士だ。基本的に音響設計や音響デザインを任せられるプロは沖縄にはいないと言ってていい。楽器やアンプからどんな音がどのくらい出ているのか、どんな機材や道具がどう使われているのか、理想的な空間のイメージ等々、また実際のレコーディングの基本的なプロセスや関わっているスタッフの役割、‥‥たぶん、そのほとんどを理解していない。
しかし、それでも設計士が図面を引く。当然、おかしな事が次から次に出てくる。それをひとつひとつチェックしていると、毎日ミーティングしても足りない程、イメージの共有が難しい。
設計だけでも東京で‥‥と、いろんな人から忠告を受けたが、個人的な意地もあって、現地の人間だけでここまで進めて来た。地元との一体感を大事にする意味でそうしたのだが、結果的に積み残した問題は多い。
場所探しをはじめた数年前から、同時に設計士探しも同時に始めておくべきだった。感覚的には3年くらいかけて音響やレコーディングの事を説明するくらいの労力と時間が必要だったかも‥‥
それと、自分自身も一般建築について、もうひとつ知識が足りない。手続きの問題も然り。イメージが明確であればある程、具体的な言葉で説明しないと理解してもらえないのはストレスの元だが、それが一般的な仕事なのかも知れない。でもそれは、クリエイターの会話ではない。残念ながら、お仕事の会話だ。
とは言っても、プロジェクトスタジオとして考えれば、後作業でやり繰り出来る事は沢山あるので、それなりに楽観的に考える様にしている。『ナンクルナイサ』だ。
それでもスタジオ創りは続いていく。着工の準備も急ピッチ。
空調と電気については次回‥‥
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